葬式にダブルスーツはOK?シングルとの違いとマナーを整理

日本人男性の葬式スーツ選びとマナーの違い 服装ガイド(喪服/礼服/小物)

「ダブルスーツで葬式に参列しても失礼にならないか」と、出かける前に不安になった経験はないでしょうか。手持ちの喪服がダブルだった、あるいは新たに購入を検討している方にとって、シングルとの違いがはっきりしないと判断しにくいものです。

今回は、葬式にダブルスーツを着用することの可否、ボタンの留め方や着こなしの注意点、シングルとの違いや選び方の考え方まで、複数の情報源をもとに整理しました。「格式が違う」「ダブルは不幸が重なる意味がある」など、耳にすることがある情報についても、根拠をたどりながら確認しています。

手持ちのダブルスーツを正しく着こなすためにも、これから喪服を選ぶ方にとっても、参考になれば幸いです。

葬式にダブルスーツを着ていくのはマナー違反か

ダブルスーツで葬式に参列することへの疑問を整理するにあたり、複数の喪服・フォーマルウェア関連のサイトや専門情報を参照しました。結論は各所で一致しており、ジャケットのシングル・ダブルの違いは格式とは無関係とされています。

シングルとダブルの格式は同じ

喪服として着用するブラックフォーマルスーツには、ジャケットのデザインとしてシングルとダブルの2種類があります。シングルはボタンが縦1列に並んでいるデザイン、ダブルはボタンが縦2列に並び、打ち合わせ部分が大きく重なるデザインです。

「ダブルの方が格式が高い」という認識をもつ方は少なくありません。しかし、喪服・礼服の専門情報を確認したところ、シングルとダブルで格式に違いはないとされています。格式を判断する基準は色の深さや素材であり、ジャケットのデザインは関係しません。

また、「ダブルは不幸が重なる意味がある」という話を耳にすることがありますが、これも一般的に根拠のある慣習とはいえないとされています。特定の地域や家での風習として言われることはあるかもしれませんが、広く通用するマナーではありません。地域や家によって考え方が異なる場合もあるため、心配な場合は事前に確認しておくと安心です。

ダブルとシングルの見た目の特徴

ダブルスーツは、ジャケット前面の打ち合わせ部分が広く重なるため、胸元の面積が大きくなります。そのため、シングルに比べてフォーマルな雰囲気が出やすく、体を大きく見せる効果もあります。

お腹周りが気になる方にとっては、重なった生地でカバーしやすい点がダブルのメリットといえます。一方、細身の方がダブルを着ると、重なった生地の分だけ体が貧相に見えることがあるという指摘もあります。シルエットへの影響を考えると、体型との相性は一概にはいえません。

現在の選ばれ方の傾向

礼服の販売実績を見ると、シングルとダブルの比率はおおよそ8対2程度でシングルが多く選ばれているというデータがあります。ただし、これはあくまで購入傾向の目安であり、どちらが正しいという性格のものではありません。

年配の方にダブルを着用している方が多いのは、かつてダブルが流行していた時代に購入し、そのまま使い続けているというケースも影響しています。「ダブルは古い」という印象もありますが、これは流行の変化によるもので、マナー上の問題ではありません。

葬式でのスーツ選びの基本
・シングル・ダブルどちらも喪服として着用できる
・格式の違いはなく、好みや体型に合わせて選ぶことができる
・「ダブルは不幸が重なる」という意味は一般的な根拠のある慣習ではない
・黒の深さや素材の質が格式に関わる基準とされている
  • ジャケットのシングル・ダブルで格式に違いはなく、どちらも喪服として問題なく着用できる
  • 「ダブルは格式が高い」「ダブルは不幸が重なる」という説は、一般的に根拠がないとされている
  • 体型や好みに合わせてデザインを選ぶことができる
  • 地域や家によって考え方が異なる場合もあるため、不安な場合は確認しておくとよい

葬式でのダブルスーツ、ボタンの正しい留め方

ダブルスーツの喪服を着用する際に、特に注意が必要なのがボタンの留め方です。シングルスーツとは異なるルールがあるため、確認しておくと安心です。

4つボタンダブルの場合

4つボタンのダブルスーツでは、飾りボタン(ボタンホールのないボタン)を除いた留めるボタンをすべて留めるのが基本とされています。ボタンホールのある実用的なボタンをすべて留めた状態が整った着こなしになります。

4つボタンの場合、一番上のボタンは飾りであることが多く、留める必要はありません。ボタンホールがついているかどうかを確認して、留めるボタンを判断しましょう。

6つボタンダブルの場合

6つボタンのダブルスーツでは、ボタンの留め方に複数のパターンがあります。一般的には、飾りボタンを除いた実用ボタンをすべて留めるか、下1つ掛けといって一番下のボタンのみを留めるスタイルもあります。購入した礼服の仕様に合わせて確認するとよいでしょう。

いずれの場合も、ボタンホールのないボタンは飾りです。誤って留めようとしても留まらない構造になっているため、見た目で判断することもできます。

座るときもボタンは外さない

シングルスーツでは、座るときに一番下のボタンを外すのが一般的なマナーとされています。しかしダブルスーツの場合は、座るときもボタンを外さないのが基本とされています。

シングルの着用に慣れていると、無意識にボタンを外してしまうことがあります。葬儀の場では着席する場面も多いため、ダブルスーツを着用する際はこの点を意識しておくとよいでしょう。また、礼服は会場内では脱がないのがマナーとされています。

ダブルスーツのボタン確認ポイント
・飾りボタン(ボタンホールなし)は留めない
・実用ボタンはすべて留めるのが基本
・座るときもボタンは外さない
・礼服は会場内で脱がない
  • ボタンホールのない飾りボタンは留めない
  • 実用ボタンはすべて留めた状態が基本の着こなし
  • 座るときもシングルのようにボタンを外さない
  • 礼服は会場内では脱がないのがマナー

ダブルスーツ着用時に確認したい小物と全体のマナー

ダブルとシングルの葬式スーツの違いとマナー

ジャケットのデザインにかかわらず、葬式に参列する際は合わせる小物や身だしなみ全体を整えることも大切です。ここでは、ダブルスーツ着用時に特に確認しておきたいポイントをまとめます。

パンツの裾はシングルが正装

ジャケットをダブルにすることはマナー上問題ありませんが、パンツの裾については注意が必要です。礼服のパンツは、裾に折り返しのないシングル仕上げが正装とされています。

裾に折り返しのある「ダブル仕上げ」は、カジュアルな印象を与えるとされており、礼装には向かないという見解が一般的です。ダブルのジャケットを着用する場合も、パンツの裾はシングル仕上げのものを選ぶようにしましょう。

ネクタイと白シャツの選び方

葬式でのシャツは、白無地が基本です。刺繍や柄のあるもの、光沢のある素材は避けます。衿はレギュラーカラーまたはワイドカラーを選び、カジュアルな印象のボタンダウンシャツは喪服には適していません。

ネクタイは光沢のない黒無地を選びます。結び方はプレーンノットが基本で、結び目の下にくぼみ(ディンプル)を作るのは華美な印象になるため避けます。ネクタイピンも使用しないのが一般的です。

靴・ベルト・靴下の選び方

靴、ベルト、靴下は黒で統一します。靴はシンプルなデザインのプレーントゥやストレートチップが適しています。金属の飾りや光沢のある素材は避けましょう。

ベルトは幅が太すぎず、バックルがシンプルなシルバーのものが適しています。型押しや光沢のある素材は華美な印象を与えることがあるため、注意が必要です。靴下は黒一択で、柄やワンポイントのあるものは避けましょう。

アイテム選び方の基本避けたいもの
シャツ白無地・レギュラーまたはワイドカラー柄・刺繍・光沢・ボタンダウン
ネクタイ黒無地・光沢なし・プレーンノット柄・光沢・ネクタイピン・ディンプル
黒・シンプルなデザイン(プレーントゥ等)装飾・光沢・カジュアルなデザイン
ベルト黒・シンプルなバックル型押し・光沢・幅が太すぎるもの
靴下黒一色黒以外・柄・ワンポイント
  • パンツの裾はシングル仕上げが礼装の基本
  • シャツは白無地・ネクタイは黒無地で光沢のないものを選ぶ
  • 靴・ベルト・靴下はすべて黒で統一する
  • 装飾や光沢のあるアイテムは避け、全体的にシンプルにまとめる

シングルかダブルか、どう選ぶか

これから礼服を新たに購入しようとしている方にとって、シングルとダブルのどちらを選ぶかは実際に迷いやすい点です。マナー上の違いはないとしたうえで、選び方の考え方を整理しました。

年齢や体型を一つの目安にする

複数の情報源で共通していたのは、シングルは体型・年齢を問わず着こなしやすく、ダブルはある程度の体格があると見栄えがよいという考え方です。ダブルはジャケットの生地の面積が多いため、細身の方が着ると貧相に見えることがあるという指摘もあります。

一般的な傾向として、20〜30代ではシングルを、40代以降や恰幅のある方はダブルを選ぶケースが多いとされています。ただし、これはあくまで傾向であり、年齢や体型によって決まるものではありません。自分が着てみて似合うかどうかが最終的な判断基準になるでしょう。

周囲との合わせ方も一つの考え方

葬式では、自分一人の見た目だけでなく、遺族や参列者全体の雰囲気との調和も意識するとよいでしょう。家族や親族がダブルを着用している場合に、自分だけがシングルというのが気になるのであれば、ダブルを選んでも問題ありません。

礼服は頻繁に買い替えるものではないため、今後も長く使えることを考えて選ぶとよいでしょう。迷いがある場合は、店頭で試着し、体型に合ったサイズやシルエットを確認することをおすすめします。

購入かレンタルかの選択肢

礼服はレンタルでも対応できます。急に必要になった場合や、使用頻度が少ない場合は、レンタルも一つの選択肢です。レンタルの場合は事前にサイズの確認が必要で、返却条件や追加費用についてサービス事業者の規約を確認しておくとよいでしょう。

購入する場合は、試着のうえサイズを合わせるのが基本です。ウエストや裾などの補正ができる店舗で購入すると、より体型に合ったシルエットに仕上げることができます。

選ぶときの確認ポイント
・まずは試着してシルエットを確認する
・細身の方はシングル、恰幅のある方はダブルが合いやすい傾向がある(絶対ではない)
・家族・親族の着用状況も参考にする
・レンタルの場合はサイズと返却条件を事前に確認する
  • マナー上の違いはなく、体型・好みに合ったデザインを選ぶのが基本
  • 試着して似合うかどうかを確認することが大切
  • 家族や親族の着用状況を参考にするのも一つの方法
  • レンタルの場合はサイズと規約を事前に確認する

ビジネス用ブラックスーツとの違い

礼服として販売されているブラックスーツと、ビジネス用のブラックスーツは見た目が似ていますが、素材や染め方に違いがあります。参列前に手持ちのスーツが礼服かどうかを確認しておくと安心です。

礼服とビジネス用ブラックスーツの素材の違い

礼服として販売されているブラックスーツは、喪服専用の深い黒(漆黒)に染められた生地を使用しています。一方、ビジネス用のブラックスーツは黒に見えても礼服と比べると色が薄く、並べると違いが分かる場合があります。

光に当たると表面が光沢を帯びるビジネス用スーツは、葬儀の場ではふさわしくないとされています。礼服は光沢を抑えた素材で作られており、この点がビジネス用との大きな違いです。

急な参列での対応

訃報が突然届き、礼服の準備が間に合わない場合、通夜への参列では略喪服での対応が許容される場合があります。暗色系(黒・紺・グレー)のダークスーツに黒いネクタイを合わせるのが一般的な目安とされています。

ただし、告別式では礼服を着用するのが基本とされています。急な参列の際も、可能であれば礼服の準備を整えてから参列するとよいでしょう。不安な場合は葬儀社や喪家の方に確認することも一つの方法です。

礼服かどうかを確認する方法

手持ちのスーツが礼服かどうかの確認には、購入時の書類やタグを確認するのが確実です。「フォーマルスーツ」「礼服」「ブラックフォーマル」などの記載があるものが礼服として販売されています。

不明な場合は、購入した紳士服店に問い合わせると確認できます。色の確認には、既存の礼服と並べて比べる方法も参考になります。

比較点礼服(ブラックフォーマル)ビジネス用ブラックスーツ
色の深さ漆黒(深い黒)礼服より色が薄い場合がある
光沢光沢を抑えた素材光沢がある素材が多い
用途表示「礼服」「フォーマルスーツ」等の記載ありビジネス用として販売
  • 礼服とビジネス用ブラックスーツは見た目が似ているが色の深さや素材が異なる
  • ビジネス用の光沢素材は葬儀の場にはふさわしくないとされている
  • 急な通夜への参列では暗色系のダークスーツが許容される場合がある
  • 確認が難しい場合は購入店に問い合わせるとよい

まとめ

葬式にダブルスーツで参列することは、マナー違反ではありません。シングルとダブルで格式の差はなく、黒の礼服として販売されているものであれば、どちらも着用して問題ないとされています。

着用前には、パンツの裾がシングル仕上げになっているか、ボタンホールのある実用ボタンをすべて留めているか、座るときにボタンを外していないかを確認しておくと安心です。

手持ちの喪服がダブルであれば、ボタンの留め方と小物を整えれば問題なく参列できます。これから購入を検討している方は、実際に試着して体型に合ったデザインをゆっくり選んでみてください。

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