葬儀の費用を抑えたいと考えたとき、「小さなお葬式」と「よりそうお葬式」の2社が候補に挙がる方も多いのではないでしょうか。どちらもテレビCMで見かける全国対応の葬儀サービスで、シンプルなプランとわかりやすい料金体系を特徴としています。
しかし、パンフレットや公式サイトに掲載されている料金だけを見ても、総額がどう変わるのかは判断しにくいものです。火葬料金の扱い、式場費用の上限、割引の条件など、確認しておくと安心なポイントがいくつかあります。
この記事では、両社のプラン料金・割引制度・保証内容・僧侶手配サービスを整理し、どのような観点で比較すると判断しやすいかを解説します。最終的な費用は地域や選択内容によって変わるため、見積を依頼する前の情報整理としてお役立てください。
小さなお葬式とよりそうお葬式の基本情報を整理する
2社の背景や規模感を把握しておくと、サービスを選ぶ際の判断材料になります。運営会社・対応エリア・実績の違いをここで確認しておきましょう。
小さなお葬式の運営会社と実績
小さなお葬式は、株式会社ユニクエストが運営する葬儀サービスです。2009年10月以降の葬儀受注件数の累計は59万件以上(2025年3月時点・同社調べ)とされており、第三者調査機関による葬儀受注件数の調査でも複数年にわたり上位を維持しています。
全国47都道府県に対応しており、提携式場は4,000か所以上(2025年4月時点・同社調べ)とされています。24時間365日、電話での相談受付が可能です。
プランの料金は全国一律で設定されており、居住地域による価格差がない点が特徴のひとつです。事前の資料請求と事前相談を行うと割引が適用されるため、急ぎの状況でなければ早めに資料請求しておくとよいでしょう。
よりそうお葬式の運営会社と実績
よりそうお葬式は、株式会社よりそう(旧:株式会社みんれび)が運営する葬儀サービスです。2013年のサービス開始以来、全国対応の低価格葬儀サービスとして成長してきました。年間相談実績は77,000件以上(同社公式サイト記載)とされています。
全国47都道府県に対応し、提携式場は5,000か所以上とされています。24時間365日の電話相談に対応している点は小さなお葬式と同様です。
よりそう会員として事前登録(資料請求で自動登録)した方が利用すると、「よりそう満足保証」と呼ばれる葬儀プラン代金の全額返金制度の対象になります。これは他の大手ネット系葬儀サービスでは一般的ではない仕組みで、同社の特徴のひとつです。
2社の共通点と異なる点
2社はどちらも、インターネット経由で申し込めるネット系葬儀サービスです。依頼した後は提携している地域の葬儀社が実際に葬儀を執り行う「仲介型」の仕組みをとっています。自社で直接施行する葬儀社とは異なる点に注意が必要です。
共通している主な特徴は次のとおりです。
- 全国対応で24時間365日の電話相談が可能
- 定額プランで基本的な必要物品・サービスが含まれている
- 火葬料金はいずれのプランにも含まれていない(別途必要)
- 資料請求などの事前手続きで割引が受けられる
異なる点としては、プランの基準価格帯、割引制度の仕組み、保証内容、僧侶手配サービスの料金体系などがあります。後の章でそれぞれ詳しく整理します。
実際の葬儀は提携葬儀社が担当します。
担当葬儀社・式場の確認は申し込み前に行うとよいでしょう。
プラン料金を比較する前に確認しておくこと
表示価格だけを見て比較すると、実際の総額との差が生じる場合があります。何が含まれていて何が別途必要なのかを整理してから比較すると、判断の精度が上がります。
火葬料金は両社とも別途必要
小さなお葬式・よりそうお葬式のどちらのプランにも、火葬場の利用料金(火葬料)は含まれていません。火葬料は地域・火葬場の種別(公営・民間)によって大きく異なります。自治体が運営する公営火葬場と民間火葬場では費用が異なる場合があります。詳細は各市区町村またはご利用を予定している火葬場に直接ご確認ください。
見積段階で「プラン料金+火葬料金」の合計を確認しておくと、総額の見通しが立てやすくなります。
式場費用と搬送距離の上限
両社のプランには一定の式場使用料が含まれていますが、選ぶ式場によっては追加の式場利用料が発生する場合があります。また、搬送距離がプランに定められた範囲を超えた場合も追加料金の対象になります。
国民生活センターの相談事例では、葬儀において想定外の追加費用が発生したトラブルが報告されています。2024年度には葬儀サービスに関する相談件数が978件と過去最多水準に達したとの情報もあります。見積時に「含まれる範囲」と「超過した場合の単価」を書面で確認しておくと安心です。
安置日数とドライアイスの条件
プランに含まれる安置日数・ドライアイスの日数にも上限があります。火葬日程が延びた場合や、安置期間が想定より長くなった場合は超過料金が発生することがあります。
深夜・早朝の搬送についても、時間帯によって追加料金が発生する場合があります。急いで依頼する状況になる前に、事前に資料請求をして条件を把握しておくとよいでしょう。
| 確認項目 | 小さなお葬式 | よりそうお葬式 |
|---|---|---|
| 火葬料金 | 別途必要 | 別途必要 |
| 式場費用上限超過 | 追加料金あり | 追加料金あり |
| 安置超過料金(1日) | 22,000円(税込) | 27,500円(税込) |
| 搬送距離超過 | 超過分追加あり | 超過分追加あり |
プラン料金と割引制度の概要
両社のプラン料金はおおむね同じ価格帯ですが、割引の適用条件と割引額に違いがあります。表示価格がそのまま支払額になるわけではない点に注意が必要です。
小さなお葬式のプランと割引
小さなお葬式のプランは、規模・形式に応じて複数のセットが用意されています。事前に資料請求と事前相談を行うと割引が適用されます。割引適用後の目安価格(税込・参考値)は各社の公表内容や比較記事をもとに、以下のように整理されています。
火葬式(告別式なし・火葬のみ)は割引適用後で170万円台前半、一日葬は320万円台、家族葬は430万円台が参考として挙げられています。ただし、料金は改定されることがあるため、現在の正確な価格は小さなお葬式の公式サイトまたは資料請求でご確認ください。
事前申し込みから一定期間が経過した場合、割引額が変わる「早割制度」もあります。最大11万円の割引を受けられる場合があるとされていますが、対象プランや適用条件は時期によって変更されることがあります。詳細は公式サイトでご確認ください。
よりそうお葬式のプランと割引
よりそうお葬式も事前の資料請求と「あんしん準備シート」の記入によって割引が受けられます。割引適用後の目安価格(税込・参考値)として、火葬式は148,500円前後、一日葬は297,000円前後、家族葬は405,900円前後と複数のサイトで紹介されています。ただし、これらの価格も改定が行われる場合があるため、現在の正確な価格はよりそうお葬式の公式サイト(www.yoriso.com/sogi/)でご確認ください。
同社の公式サイトでは「業界最安水準」と表記しており、その根拠として主要3社との基本料金(税抜)比較を示しています(2026年3月時点・同社調べ)。ただし、「最安」かどうかは式場・地域・オプション内容によって変わるため、実際には見積を取って比較することが大切です。
割引条件の違いと注意点
小さなお葬式の割引は資料請求と事前相談がセットで適用される仕組みです。よりそうお葬式の割引はプランごとに適用額が異なり、最大30,000円とされています(資料請求時点の条件による)。どちらも割引適用には事前手続きが必要なため、急いで依頼することになった場合は割引対象外になることがあります。
「割引前の価格」か「割引後の価格」かを揃えて比較しましょう。
火葬料・式場費・搬送料の有無も含めた「税込総額」で確認するとよいでしょう。
保証制度・僧侶手配サービスを比較する
費用とプラン内容に加え、保証制度と僧侶手配の仕組みも選択の判断材料になります。特に菩提寺を持たない方にとっては、僧侶手配サービスの内容確認が大切です。
よりそうお葬式の「満足保証」とは

よりそうお葬式では、事前によりそう会員として登録した方が利用した場合に限り、「よりそう満足保証」が適用されます。葬儀プラン代金(割引適用後の金額)が全額返金の対象となります。
ただし、返金対象外となるものがあります。火葬場の使用料、読経・戒名などの宗教費用、オプションで追加した費用は返金対象に含まれません。申請は火葬日の翌日から5日以内に行う必要があります。詳細な適用条件は、よりそうお葬式の公式サイトの満足保証ページでご確認ください。
この保証制度はネット系葬儀サービスとしては珍しい仕組みです。同社は「サービスに自信があるから設けている」と公式サイトで説明しています。
小さなお葬式の「返金保証」について
小さなお葬式でも、一定の返金・補償に関する仕組みが案内されています。詳細な条件・適用範囲については、小さなお葬式の公式サイト(www.osohshiki.jp)または資料請求でご確認ください。2社の保証内容を並べて比較する場合は、「対象費用の範囲」「申請期限」「事前手続きの有無」を揃えて確認するとわかりやすいです。
僧侶手配サービスの違い
菩提寺がない場合でも、両社を通じて僧侶の手配が可能です。小さなお葬式は「てらくる」、よりそうお葬式は「よりそうお坊さん便」という名称でそれぞれ寺院紹介サービスを提供しています。
費用の目安として、複数の情報源では以下のように紹介されています(税込・参考値)。
| 葬儀の形式 | てらくる(小さなお葬式) | よりそうお坊さん便(よりそうお葬式) |
|---|---|---|
| 火葬式 | 60,000円(読経+戒名込み) | 55,000円(読経+戒名込み) |
| 家族葬(一日プラン) | 90,000円(読経+戒名込み) | 85,000円(読経+戒名込み) |
ただし、この料金は時期や対象プランによって変更されることがあります。また、よりそうお坊さん便は料金に戒名が含まれている場合と含まれていない場合があります(戒名授与が別途20,000円〜の場合あり)。現在の正確な料金は各サービスの公式ページでご確認ください。
どちらのサービスも、読経回数・戒名の有無・移動費の取り扱いを含めた総額で比較するとよいでしょう。また、菩提寺がある場合は、仲介型の寺院紹介サービスを利用すると菩提寺との関係に影響が出ることがあります。事前に菩提寺に相談しておくと安心です。
見積前と契約前に確認しておきたいポイント
急いで決めなければならない状況になる前に、事前に整理しておくと対応しやすくなります。消費者庁・国民生活センターの案内でも、事前の情報収集と見積の確認が繰り返し推奨されています。
消費者庁・国民生活センターが案内している注意点
国民生活センターには葬儀サービスに関する相談が年間800〜900件前後(2024年度は978件)寄せられており、費用に関するトラブルが最も多くなっています。主な相談内容は「想定より費用が高くなった」「説明が不十分だった」「見積と請求に差があった」といった内容です。
国民生活センターのアドバイスでは、「葬儀の希望やイメージを考えて情報収集をすること」「見積書を必ず確認すること(特に参列者の人数によって増減する変動費に注意)」「打ち合わせは複数人で行うこと」が示されています。
消費者庁は2020年3月、「シンプルなお葬式」および「よりそうのお葬式」(いずれも当時の表記)に対して、ウェブサイト上の料金表示に関する課徴金納付命令を発出した経緯があります。その後、両社とも料金表示の見直しを行っています。事前に見積書を取得し、含まれる項目と別途費用を書面で確認する習慣が大切です。
見積を取る際に確認する4つの項目
2社に限らず、葬儀の見積を取るときに確認しておくとよい項目を整理します。
まず「税込の総額表示か」を確認します。税抜と税込では数万円単位の差が生じるため、比較は必ず税込で行いましょう。次に「式場費用の扱い」です。プランに含まれる式場費用の上限と、超過する場合の費用を確認します。
3つ目は「搬送距離と安置日数の上限」です。住所から安置先・式場・火葬場までの距離がプランの範囲内かどうかを確認します。4つ目は「火葬料の目安」です。ご利用予定の火葬場の使用料を事前に確認しておくと、総額の見通しが立てやすくなります。
・見積は税込表記で取得する
・式場費の上限と超過費用を確認する
・火葬料・搬送距離・安置日数の条件を確認する
・キャンセル・変更時の条件を書面で確認する
選び方のポイントをまとめると
両社の違いをシンプルに整理すると、下表のようになります。
| 比較の視点 | 小さなお葬式 | よりそうお葬式 |
|---|---|---|
| プラン基準価格帯 | やや高め(公表比較より) | やや安め(公表比較より) |
| 割引の上限 | 最大50,000円〜(事前相談) | 最大30,000円(資料請求等) |
| 満足保証制度 | 詳細は公式確認 | プラン代金全額返金(条件あり) |
| 全国提携式場数 | 4,000か所以上 | 5,000か所以上 |
| 僧侶手配サービス | てらくる | よりそうお坊さん便 |
価格を最優先で検討する方には、基準価格がやや低めに設定されているよりそうお葬式が参考になります。一方、提携実績の豊富さや全国均一価格を重視する方には小さなお葬式も選択肢になります。最終的には、実際に見積を依頼して総額を比較することが大切です。
Q&A:比較でよくある疑問
Q. 両社とも深夜・早朝に対応してもらえますか?
どちらも24時間365日の電話相談に対応しています。ただし、深夜・早朝の搬送には追加料金が発生する場合があります。依頼前に確認しておくとよいでしょう。
Q. 菩提寺がある場合でも僧侶手配サービスを使えますか?
仲介型の僧侶手配サービスは、菩提寺がない方を主な対象としています。菩提寺がある場合は、仲介サービスの利用前に菩提寺に相談することをお勧めします。お墓の使用に影響が出ることがあります。
まとめ
小さなお葬式とよりそうお葬式は、どちらも全国対応・定額プランを特徴とするネット系葬儀サービスです。基本的な提供内容はよく似ており、費用の差は火葬料や式場条件によって逆転することもあります。
比較する際は、割引後の税込価格に火葬料・式場費を加えた「総額」で判断することが大切です。見積書を取得し、含まれる項目と別途費用を書面で確認してから選んでください。
いざというときに慌てないためにも、気になる方は早めに各社の公式サイトで資料請求だけでも行っておくと、準備が整いやすくなります。
本記事の内容は、関係省庁・自治体・業界団体などの公開資料をもとに整理したものです。費用・サービス内容・手続きは地域や事業者によって異なる場合があります。最終的な判断や契約・手続きの前には、必ず各自治体窓口や葬儀社・霊園などの公式窓口で最新情報をご確認ください。

