急に葬儀や法要の予定が入り、礼服をどこで用意すべきか迷う方は少なくありません。身近な店舗として思い浮かびやすいアベイルですが、礼服・喪服の取り扱いについて正確に把握しておくと、焦らずに準備を進めやすくなります。
アベイルは株式会社しまむらが展開するファッションブランドのひとつで、主に若い世代向けのカジュアルウェアや雑貨を扱う店舗です。複数の情報源を見ると、アベイルの店舗・公式オンラインストアともに、礼服・喪服に該当するフォーマルウェアは販売されていないことが分かります。礼服の購入を急いでいる場合、アベイルとは別の選択肢を検討する必要があります。
この記事では、アベイルと同系列のしまむらの違いも含めながら、礼服・喪服を用意する際に知っておきたい基本情報と、急ぎの場合の対処法を整理します。
アベイルに礼服は売っていない理由と取り扱いの実態
アベイルの店頭・オンラインストアの商品構成と、礼服・フォーマルウェアとの関係を整理します。何が買えて何が買えないかを把握しておくと、代替手段を検討しやすくなります。
アベイルのブランド特性とターゲット層
アベイルは、しまむらグループが展開するカジュアルファッション専門店です。主なターゲットは若い女性で、トレンドを意識したジーンズ・トップス・アクセサリーなどのカジュアルアイテムを中心に取り扱っています。
プチプライスで最新のトレンドコーデを楽しめる点が特徴である一方、フォーマルウェアの取り扱いは店舗コンセプトに含まれていません。公式オンラインストアのメンズカテゴリでスーツを検索しても、フォーマル用途のスーツは表示されない状態が続いています。
同グループのしまむらとは客層・商品構成が異なります。しまむらは幅広い年代の女性や家族連れをターゲットとし、ビジネス向けシャツやレディースのブラックフォーマルなどを取り扱っています。この差がアベイルに礼服がない根本的な理由です。
アベイルの黒スーツは喪服・礼服として使えるか
アベイルで最もフォーマルに近いメンズアイテムとして、カジュアルブランドのスーツ上下セットが存在することがありますが、これは礼服・喪服としての使用に適していません。
礼服と一般的な黒スーツには明確な違いがあります。礼服には「濃染加工」が施された深い黒色が用いられ、ラペルにステッチがなく、裾にベントのないノーベントデザインが基本です。一方、カジュアルブランドのスーツは色の深みが薄く、カジュアルなシルエットやデザイン処理が入っていることが多いため、葬儀・法事の場では周囲から見て浮いてしまう可能性があります。
家族葬や身内のみの法事でも、カジュアルなスーツは適切とはいえないとされています。急な場合でも、代用品として選ぶには注意が必要です。
礼服本体(スーツ・ワンピース):取り扱いなし
黒ネクタイ:カジュアルなデザインが中心で、弔事用として使えるものは限定的
黒ベルト・靴下・アクセサリー類:デザイン・仕様が弔事用として適切かどうか個別に確認が必要
- アベイルの店舗・オンラインストアに礼服・喪服の取り扱いはない
- 黒スーツ類はカジュアル用途のもので、礼服としての使用には適さない
- 一部の小物類はデザインを確認のうえ活用できる場合があるが、弔事専用品ではない
- 急ぎの場合はアベイルとは別の手段で礼服を確保するとよい
礼服と喪服の違い 弔事で必要な服装を確認する
礼服と喪服はよく混同されますが、意味と使える場面が異なります。急いで準備する前に、どの場面でどの服装が求められるかを整理しておくと判断しやすくなります。
礼服とは何か 喪服との関係
礼服とは、結婚式や入学式・卒業式のような慶事から、葬儀・法事などの弔事まで、冠婚葬祭全般で着用するフォーマルウェアの総称です。英語では「フォーマルウェア」とも呼ばれます。
喪服はその礼服のなかで、葬儀・告別式・法要などの弔事に限定して着用するものを指します。故人への弔意を示すため、黒無地が基本で、光沢や装飾のないシンプルなデザインが求められます。喪服は慶事では着用しないのが基本です。
ただし、準喪服として広く知られるブラックフォーマルスーツは、ネクタイやシャツ、アクセサリーを慶事向けに調整することで、結婚式の二次会や式典などに着回せる「略礼服」としても活用できます。一着で冠婚葬祭に対応したい場合に選ばれることが多いアイテムです。
礼服と黒いビジネススーツの違い
見た目は似ていても、礼服と黒のビジネススーツは別物です。この違いを知っておくと、購入時の判断に役立ちます。
礼服には「濃染加工」が施されており、光を吸収する深い黒が特徴です。通常の黒スーツと並んだとき、色の深みに差が出る場合があります。また、礼服のジャケットにはラペル(下衿部分)にステッチがなく、裾の切れ込み(ベント)もないノーベントデザインが一般的です。
ビジネス用の黒スーツを礼服代わりに着用するのはマナー上好ましくないとされています。逆に、礼服(ブラックフォーマル)はビジネスシーンには不向きです。それぞれ使い分けが必要な服装です。
| 項目 | 礼服(ブラックフォーマル) | 黒のビジネススーツ |
|---|---|---|
| 黒の深み | 濃染加工で深い黒 | やや薄め |
| ラペルのステッチ | なし | あり |
| 裾のベント | ノーベント(切れ込みなし) | ベントあり |
| 使用シーン | 冠婚葬祭(弔事・慶事) | ビジネス・日常的な公式の場 |
弔事の場面で必要な服装の格
弔事では、参列者の立場によって服装の「格」が異なります。喪主・親族は正喪服または準喪服が基本で、一般参列者は準喪服が標準的な選択です。
急な訃報の場合、お通夜であれば喪服がなくてもダークカラーのスーツ(男性)や黒無地のワンピースに黒ストッキング(女性)などで参列できる場合があります。ただし、告別式への参列や親族・身内のお通夜では、喪服(準喪服以上)を着用するのが望ましいとされています。
- 礼服は冠婚葬祭全般に対応するフォーマルウェアで、喪服はその弔事限定のもの
- 礼服と黒ビジネススーツは用途・設計が異なり、互いに代用するのはマナー上好ましくない
- 参列する立場・場面によって、求められる服装の格が変わる
- 急なお通夜はダークスーツ等で対応できる場合もあるが、告別式・親族参列は喪服が基本
急ぎで礼服・喪服を用意する場合の選択肢
礼服・喪服が手元にない、または着られなくなった場合、どこで・どのように入手するかを状況に合わせて判断する必要があります。主な選択肢と特徴を整理します。
レンタルサービスを利用する
礼服を急ぎで用意する方法のひとつがレンタルです。オンライン型と店舗型の2種類があり、それぞれ特徴が異なります。
オンライン型は自宅にいながら手続きができ、配送で受け取るため翌日以降の受け取りになります。料金はサービスによって異なりますが、3泊4日のレンタルで数千円台からのプランが存在します(最新の料金は各レンタルサービスの公式サイトでご確認ください)。店舗型は試着のうえその日中に受け取れるため、当日・翌日の葬儀にも対応しやすくなっています。
礼服は着用頻度が少ないため、購入よりもレンタルの方がコストを抑えられるケースがあります。サイズが心配な場合は、試着できる店舗型が安心です。
紳士服専門店・量販店で購入する

洋服の青山やAOKI、はるやまなどの紳士服専門店では、礼服・喪服専用コーナーが設けられており、サイズ展開も豊富です。メンズ礼服はY体・A体・AB体・BB体・E体など体型別に対応しているため、自分の体型に合った一着を見つけやすいのが利点です。
価格帯はスーツ上下セットで数万円台が一般的です(具体的な価格は各店舗の公式サイトや店頭でご確認ください)。ワイシャツや黒ネクタイなどの小物も一式そろえられるため、初めて礼服を購入する方にも利用しやすい選択肢です。当日の持ち帰りが可能かどうか、裾上げの所要時間なども事前に確認しておくと安心です。
系列のしまむらで購入できるもの
アベイルの同系列店であるしまむらには、レディースのブラックフォーマル(ワンピース+ジャケットのセット)の取り扱いがあります。価格は1万円前後のものが中心で、フォーマル用途として販売されています。サイズ展開が比較的広く、大きいサイズも取り扱っている場合があります。
ただし、しまむらのメンズ礼服(スーツ一式)は原則として取り扱いがありません。メンズの場合は、ネクタイや白シャツなどの小物類は購入できる場合がありますが、スーツ本体は紳士服専門店やレンタルサービスで確保するのが現実的です。また、商品ラインナップは時期や店舗によって異なるため、事前に確認しておくとよいでしょう。
当日・翌日に間に合わせたい → 店舗型レンタルまたは紳士服専門店での当日購入を検討
コストを抑えたい → レンタルサービスを比較、時間がある場合はネット購入も選択肢
レディースで今すぐ手元に欲しい → しまむら店頭(在庫確認が必要)または紳士服量販店
メンズで一式そろえたい → 紳士服専門店またはレンタルが現実的
- 急ぎの場合は店舗型レンタルか紳士服専門店での購入が確実性が高い
- しまむらにはレディース向けブラックフォーマルの取り扱いがあるが、メンズ礼服一式は原則取り扱いなし
- 時期や店舗によって商品ラインナップが変わるため、事前に確認するとよい
- オンラインレンタルは配送に日数がかかるため、スケジュールの余裕が必要
礼服選びで確認しておきたい基本ポイント
礼服を新たに購入する場合、何を基準に選べばよいか迷うことがあります。使用シーンや着用頻度に合わせた選び方の考え方を整理します。
素材と色の深み 礼服として適切かどうかを見分ける
礼服として適切かどうかを判断するうえで、まず確認したいのが「黒の深み」と素材の質感です。弔事では、着席・起立・移動を繰り返すなかで周囲と並んで見られる場面があります。礼服の黒は濃染加工によって光を吸収する深い黒に仕上げられており、カジュアルな黒スーツとは明確に異なります。
素材については、ウールやポリエステルなどが一般的で、季節や用途に応じて選ぶとよいでしょう。オールシーズン対応の生地であれば、通年で使いやすく、収納後の管理もしやすくなります。洗濯表示も事前に確認しておくと、クリーニングの手間を見込んだ準備ができます。
サイズ選び 体型変化に備えた余裕の考え方
礼服は頻繁に買い替えるものではないため、サイズ選びが重要です。購入時にぴったりのサイズを選んでも、数年後に体型が変化すると着られなくなる場合があります。
試着の際は、腕を上げたときの動きやすさ、座ったときのジャケットのつっぱり感も確認するとよいでしょう。スーツ体型(Y・A・AB・BB・E体など)は店舗によって展開が異なりますので、試着のうえ確認することが大切です。ワンピースやスカートタイプを選ぶ場合は、丈の長さにも注意が必要です。膝が隠れる程度の丈が一般的なマナーとされています。
小物の選び方 靴・バッグ・アクセサリーの基本
礼服に合わせる小物にも確認が必要なポイントがあります。靴は、本革製品は殺生を想起させるという考え方から、葬儀の場では合皮や布素材が選ばれることがあります。ただし、この考え方については地域や慣習によって見解が異なる場合があります。不安な場合は葬儀社や宗派の慣習を確認するとよいでしょう。
バッグは布製または合皮の黒い小ぶりなものが一般的です。金属の金具が目立つデザインや、光沢の強いエナメル素材は弔事の場では避けるのが無難です。アクセサリーは基本的に不要で、つける場合は一連のパールネックレスなど控えめなものが適しています(慣習は宗派・地域によって異なる場合があります)。
黒の深み:濃染加工が施されたフォーマル専用品を選ぶ
サイズ:試着して動きやすさと丈感を確認する
素材:オールシーズン対応か、夏・冬用かを確認する
小物:布製バッグ、控えめなアクセサリー、合皮シューズが基本
礼服を長く使うための保管方法
礼服は使用頻度が低いため、保管中の状態が着用時の印象に大きく影響します。使用後はブラッシングでほこりを払い、クリーニングに出してから保管するのが基本です。
保管時はカバーをかけて、湿気の少ない場所に吊るして収納します。圧縮袋やぎゅうぎゅうに詰め込んだ収納はシワや型崩れの原因になるため避けるとよいでしょう。年に一度、収納から出して状態を確認しておくと、いざというときに慌てずに済みます。防虫剤は素材や生地への影響を確認したうえで使用してください。
Q:礼服と喪服は同じ服で代用できますか?
A:準喪服(ブラックフォーマルスーツ)は、小物の合わせ方を調整することで慶事にも着用できるため、冠婚葬祭に一着で対応できます。ただし弔事専用に設計された正喪服は慶事には用いません。
Q:礼服にハイヒールを合わせてもよいですか?
A:葬儀の場では極端に高いヒールは避けるのが一般的です。歩きやすく、派手な装飾がないヒール低めのパンプスが無難とされています。ただし慣習は地域や宗派によって異なる場合があります。
- 礼服の「黒の深み」は購入時に実物で確認するとよい
- サイズは試着して動きやすさを確認し、体型変化に対応できる余裕をみる
- 小物は控えめなデザインが基本で、地域・宗派の慣習を確認しておくと安心
- 保管時はクリーニング後にカバーをかけて吊るし、年に一度状態を確認する
まとめ
アベイルは礼服・喪服を取り扱っていないため、急な葬儀・法要の際には別の手段で準備する必要があります。同系列のしまむらにはレディース向けブラックフォーマルの取り扱いがありますが、メンズ礼服一式の調達には紳士服専門店またはレンタルサービスが現実的な選択肢です。
礼服を初めて用意する場合や久しぶりに着用する場合は、事前に試着してサイズや状態を確認しておくと安心です。急いでいるときほど、在庫の有無やサイズ確認を購入・レンタル先に直接問い合わせるとよいでしょう。
礼服の準備は気が重くなるタイミングでの対応になることが多いですが、事前に選択肢を把握しておくことで、いざというときに落ち着いて動けるようになります。必要なときに備えて、今の自分の体型に合った一着を確認しておくことをおすすめします。
本記事の内容は、関係省庁・自治体・業界団体などの公開資料をもとに整理したものです。費用・サービス内容・手続きは地域や事業者によって異なる場合があります。最終的な判断や契約・手続きの前には、必ず各自治体窓口や葬儀社・霊園などの公式窓口で最新情報をご確認ください。

